お父さんの創作メニュー

今回は私の友人の話をさせていただきます。

某有名な格安ファミリーレストランに、平日の深夜の仕事帰りに、毎日立ち寄っていると、ある日、店員さんから、「おかえりなさい」と言われるようになったそうです。友人は、妻子と自宅で暮しておりますが、仕事の関係で毎晩、午前で帰宅しなくてはならず、寝静まった自宅で物音を立てない為に、毎晩、自宅の最寄り駅にあるファミリーレストランで、夕飯と晩酌を済ましてから、帰宅するのが日課になっていたそうです。平日の深夜、ファミリーレストランに通っていると、当然、メニュー表に載っている大抵の品々は食べつくしてしまいました。さらに、味が分かっているので、好物のメニューしか注文しなくなります。これでは、栄養バランスが悪いかもしれないと、人知れず栄養計算を始めたそうです。もちろんファミリーレストランの一皿は、完全食品ではありません。バランスよく食べるには、いくつかの料理を複数注文する必要が出てきました。幸い、格安ファミリーレストランでしたので、晩酌の一杯と、複数の品々を注文しても、経済的に打撃が少なく、まずは、味は考えないようにして、自分なりに考え必要な栄養素の含まれた料理を注文してみました。テーブルに並べられた複数のお皿の上の料理を最初のうちはそれぞれに食べていましたが、ある日一品一品注文した後に、テーブルの上で改めて創作料理を作ることを思いついてしまったのです。せっかく調理をして下さった厨房のコックさんたちには、申し訳ないと思いつつ、お料理をミックスすることで、たくさんの栄養が、さらに美味しく頂けるようになったのです。そんな様子を、毎日観察していた店員さんたちは、彼が、お店に現れる度に、「おかえりなさい」と声を掛けてくれるようになったという訳でなんです。家族と食卓を囲めない事情を抱えたお父さんは、日本中を探せばたくさんいると思います。そんな日本のお父さんが人知れず自分を労わる作った創作料理。ある日突然、お父さんの創作メニューが、ファミリーレストランのメニュー表に現れる日が来るかもしれません。